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技術紹介

チャンバー内不純物とデバイス寿命

【真空チャンバー内不純物とデバイス寿命】

有機EL素子の寿命は製作時間に依存しており、その原因は真空蒸着チャンバー内に存在している極微量の不純物が蒸着中に混入するためです。LC-MSによる不純物の構造解析の結果、一般的に樹脂添加剤として使用される化合物、過去に蒸着した有機材料等が検出されました。

左図:株式会社住化分析センター殿 との産学官連携共同研究の成果 右図:H. Fujimoto, et al., Scientific Reports 6, 38482 (2016).

 

【接触角測定によるチャンバー内の汚染評価】

Youngの式

①Γsが小さいと撥水性となる。

②表面張力が小さい物質は分子間力が小さく、真空中で揮発しやすい。

③接触角が真空チャンバー内の汚染の指標となる。

 

【チャンバー内の不純物とデバイス寿命】

有機EL素子寿命と接触角に相関があることから、チャンバー内の不純物が寿命に大きな影響を与えていることが明らかとなりました。上記で検出されたような添加剤が影響しない真空チャンバーで素子製作した結果、既存のチャンバーよりも寿命が約2倍向上しました。

H.Fujimoto, et al., AIP Advances 8, 085025 (2018).

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