本プロジェクトの意義
- 有機EL(OLED)ディスプレイ市場全体規模としては約7兆円であり、用途拡大を含めてさらに成長が見込まれます。しかし技術的には、高信頼性や高輝度、高品質発光等の付加価値化の課題が存在します。
- パネル製造に関しては、一見、韓国や中国企業が主流に見えますが、信頼性や高付加価値化に必要な材料技術や半導体製造設備については、日本企業が重要な役割を担っています。
- ディスプレイ用新材料の研究開発は、単に材料科学の技術革新だけでは実現が難しく、デバイス生産プロセス技術、信頼性構築のための分析評価技術が統合された複合技術の確立が必要です。
持続可能なイノベーションエコシステム形成の取り組みと成果概要
- TADFワークショップを継続実施し世界をリードする科学者、企業が福岡の地に集まり議論する場を提供、その結果として新たなベンチャー企業創出、投資案件の端緒となった。
- 年に2回の産業化研究会を継続実施し地元企業や国内の有力企業と研究者技術者へ新規技術の紹介とともにネットワーク形成を支援。
- プロジェクトを遂行しつつ拠点大学、地域自治体とその公益団体が企業を巻き込んで事業化、産業化を試みるイノベーションエコシステム形成の持続可能化モデルを制度面、運用面で構築し実践を開始。
基盤構築PJの具体的な成果1
福岡地域がTADF研究で世界をリードしていることの発信
- KyuluxよりHyperfluorescenceを用いたOLED寿命の大幅アップ成果を披露。 [具体例 黄色LT95 1,520h (2018) ⇒ 20,700h (2019)]
- LG Display よりTADF材料実用化へ向けた現在までの達成度と具体的目標値と期待感が表明された。 [具体例 緑の必要スペックへの達成度:色純度 120%、効率 80%、寿命 50%]
基盤構築PJの具体的な成果2
有機光エレクトロニクス分野の情報ハブ基盤づくり
- Workshop継続開催の過程で国外参加者割合が着実に増えており、国際的な認知度アップ。
- i3-opera Forumの併設により企業参加社数も増加傾向にあり、産業界からの高い注目度。
九州大学×i³-opera×研究開発ベンチャーによる地域エコシステム 有機光デバイスシステムバレーは新たなステージへ
福岡市九大新町次世代拠点事業では、九州大学との連携により新産業・新事業が次々に生まれる研究開発拠点の形成を目指しています。https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/sangakurenkei/business/motooka.html 我々は、引き続き自治体・地域の基盤と密接に連携し、福岡地域エコシステムを未来ある若者たちにとって魅力ある場所にしてゆきます。
- 世界と勝負できるIntelligenceの集積と資金の循環
- ここにくれば何かが得られる
- 失敗しても何度でもチャレンジできるエコシステム