i³-opera

MEXT program

PJ1成果: 高効率・高耐久TADF-OLEDの達成

中心研究者

九州大学教授 安達千波矢

プロジェクト概要

九州大学OPERAの技術シーズである「TADF材料とTAF発光機構(FIRSTの成果)」に基づき、基礎科学の観点から、既存の蛍光材料、リン光材料を凌駕するOLEDディスプレイ用TADF材料を開発し、高耐久化のためのデバイス解析等の成果を導出

TADF材料の発光原理を示すエネルギー状態概念図

成果報告1

市場競争での優位性確保とBT2020規格対応を見据えて高耐久青色材料と挟半値幅スペクトルの開発目標を設定しました。黄色材料の技術目標については当初設定より一年前倒しで達成し、2017年度末にその成果を地域ベンチャーKyulux社へ導出しました。

成果報告2

これまでに2018年度目標のスカイブルー寿命 「97%減衰 > 150 時間 」を達成、また「波長 473 nm、半値幅24 nm 」の挟半値幅発光材料を開発し、マイルストーンをクリアしました。2019年度はさらに「95%減衰>250 時間」の年度目標を達成しました。

深青色のTADF材料分子構造
Adv. Funct. Mater. 2018, 28, 1706023
フォトルミネッセンス発光写真
Adv. Funct. Mater. 2018, 28, 1706023

成果報告3

最終年度においては、耐久性の向上には短い遅延蛍光寿命(τd) を有するTADF分子の開発が鍵であることが判明し、これにより世界最短のτd =750nsのTADF分子が得られ、成果情報を導出先のKyulux社へ即時提供しました。その他、群を抜く投稿論文数、出願特許、また福岡における国際学会の開催等により九州大学と福岡地域がTADF材料とTAF発光機構の研究においてリードしていることを世界に発信し、競争優位性を維持しました。

高効率を実現するTADF材料分子構造
Nat. Photonics, 15, 203 - 207, 2021
狭半値幅の発光スペクトルおよび発光素子写真
Nat. Photonics, 15, 203 - 207, 2021
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